私のスポーツ指導理論の最重要理論である「脱力反射理論」についての話になります。
大学生の頃、私は通常の指導理論でバスケの指導を行っていました。大学でも体育の教員養成課程に所属し、またいろいろなトレーニングやストレッチなどについても勉強していたため、それを忠実に指導にいかし、自信を持って指導していました。しかし体力テストが市内最下位の学校では1回戦を突破できるか否かぐらいの成果しか出ませんでした。その時に行っていた一般的に行われている指導を、私は「筋肉神話」や「筋力理論」と呼んでいます。何とかしてあげたくてがんばりましたが、がんばればがんばるほど、やればやるほど、選手たちのケガが増えていきました。
「最下位だから仕方ない」「成果が出るのに時間がかかる」と思い勉強してきたことを信じてやり続けましたが、2年経ち結果が出なかった時に「自分が間違っていたんだ。やり方を変えなくては…」とやっと気づき、自分に付き合ってきてくれた選手たちに申し訳なく思う日が来ました。
そしてその日から勉強と研究の方向性を変えました。その原点は「筋力で最下位なら、脱力なら1位だ」と逆転の発想からです。そして「脱力理論」に踏み込んでいくことになります。古武術やゆるトレといったものがベースとなって、オリジナルのものを考えていくことになります。しかしこの理論は、それまで筋力に頼って指導してきた自分にとってはとても受け入れ難いものでした。それでも筋力という観点からではなく、脱力という観点から指導をし、指導の体系化を図っていくと、しばらくして県大会で優勝することができました。(当時、小学6年生女子で学校一速い子がいましたがたしか50m走が8.7秒だったような?)
以来、脱力理論は「脱力反射理論」へと発展させています。簡単に言うと「ひざかっくん」のような作用を上手に使うとパフォーマンスが向上するというものです。私がコラムに上げていくものはこの考え方がベースとなって述べています。そしてその理論は力に頼らないで動きを考えていくため、より小さな幼児のような子どもたちにも有効であることがわかっています。また大学生の無名選手の寄せ集めのようなチームでも、創部4年で1部にスピード昇格することができ、幼児から大学まで一貫した理論で行うことができることが分かっています。
北海道はここ10年、体力テストが全国最下位に近い成績となっています。この理論を普及させ、旭川のバスケや子どもの体力を全国上位レベルに向上させていき、旭川の子どもたちが夢を見ることができる団体を設立していきたいと考えています。
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