④「オフェンスは逃げろ!?(その1)」

 今年、Jリーグで首位を独走中の川崎フロンターレは「デュエルしない(戦わない)」ようです。

 私もこれに大賛成です。オフェンスは戦うべきではありません。オフェンスはディフェンスから逃げるように動くべきです。わざわざ守られる必要はありません。それでも体力テストが最下位だった学校のチームは県ナンバーワンのオフェンス力を手に入れました。その秘密はゴールから遠くに居るときのボールのもらい方にあります。

 

 私はボールを受けるときに必ずMeet(ミート・会う)をすることを求めます。これはすべての指導者にとって当たり前のように大事にされていることと思いますが、少し?考え方が違います。私の指導するいくつかあるうちの1つにEscape Meet(エスケイプ・ミート)というものがあります。文字通り、逃げるようにミートするものです。Meet3原則というものがあり、①Hop②Step③Curveを合言葉に考えながらミートします。その中の②のステップをInside Stepを踏むことによって、実はナチュラルに相手から逃げながら(遠ざかりながら)も勝つことができます。そのためには①のHopで自分の身体能力を上げる前提を作ることと、③のCurveで相手に戦わせない足さばきが大切です。それは別の機会にお話します。

 

 ムキになればムキになるほど力を必要としてしまいます。そうなると筋力理論へとつながっていってしまいます。そのため逃げるようにすることで脱力理論の効力を最大限に引き出すのです。

 

 この考え方がわかると、実はゾーンディフェンスはディフェンスではなくなってしまいます。そしてゾーンほど戦わずしてゴール下で勝負ができるようになるのです。小学生・中学生でゾーンが禁止されました。それはゾーンの方が攻めにくいため、安易にゾーンを使用するチームが増えてしまったためでもあります。しかし私のチームの場合、ゾーンをしてくれていた方が簡単に攻められていたので残念です…