⑧「相手の能力を引き下げる1」

バレーやテニスとは異なり、身体接触が伴うバスケットボールやサッカーといった競技では、通常「力の差が出やすい」と考えるでしょう。しかしその逆です。接触型のスポーツだからこそ、考えることができる術があります。

 

 相手のジャンプ力を100自分のジャンプ力を60とします。バレーボールの場合では、良いトスが上がってしまうと

100-60=40

 となり、40の差は勝てません。そのためレシーブで崩して良いトスを上げられないようにする方法を考えるようです。

 

 バスケットボールの場合は、相手のジャンプ力を消してしまう方法があります。リバウンド場面では、いわゆるかの有名な「スクリーン・アウト」です。ボックス・アウトで相手を押さえることで、自分もジャンプできませんが相手にもジャンプさせない状態を作り、相手0自分0の引き分けの状況を作り出します。

 

 しかしこれでは面白くないので勝つ方法を考えたいと思います。それは「先跳び」です。相手より少し早くジャンプして相手に乗るようにして着地をします。そうすると相手は自分に乗られているためジャンプできないか、ジャンプしても逸れてしまいます。自分のジャンプ力は60のまま相手のジャンプ力を限りなく0にできる方法です。そのためリバウンドはとにかく「跳ぶ」ことが大事だと思っています。「相手の能力を引き下げながら、自分の能力は維持する」ことができるのが接触型のスポーツのおもしろいところです。

 ボクシングだと相手のパンチを半減する方法として、肘が伸びきる前に当たりに行く方法があるようです。その考え方に似ているかもしれません。

 

 一例を出してみました。他の例はまたの機会にご紹介します。